ラノベレビュー

小説が書けないアイツに書かせる方法|これは僕らの恥を晒す物語

はじめに

アイスモナカをオーブンで1分ほど焼くと、生地がパリパリになって美味しかったです。アイスが溶けなくてビックリしました。

どうも、おとーとです。

今回の作品は『小説が書けないアイツに書かせる方法

初見で、あらすじに書かれた”勃起不全”というワードのインパクトはすごかったですね。“男根が謎の反応”とかモロに書かれてますし、あらすじに気圧されて買わなかった人ってけっこういるんじゃないかな?

それ、後悔しますよ?

今回のレビューは、

  • 書籍概要
  • あらすじ
  • 感想
  • この作品の魅力
  • グッときたセリフ紹介

以下の内容でお届けします。では、さっそくレビューへ。

書籍概要

タイトル:小説が書けないアイツに書かせる方法(以下『書けないアイツ』)

発売日:2022年9月9日

著者:アサウラ

 <補足情報>代表作『ベン・トー』。同日同レーベルより『リコリス・リコイル Ordinary days』発売。

イラスト:橋本 洸介

 <補足情報>フリーイラストレーター。ヴィレッジヴァンガードとコラボなど、幅広い分野で活躍。

あらすじ

自らの性の悩み――勃起できない事。勃起不全に対する悩みと家族、主にイケてる姉と従順な妹を描いた小説で新人賞を受賞した『月野シズク』こと、月岡零。男子高校生である彼は、内容が内容のために周りには作家である事を隠して活動していたのだが、デビュー作を超える次回作が思いつかず書けずにいた。
 悩み続ける彼の前に一之瀬琥珀と名乗る巨乳美女が現れる。そして……
「私の考えた小説を書かなければあなたが月野シズクである事をバラす」と脅迫されてしまうのだった。
 彼女の目的がわからず困惑するものの零は従うフリをしてその内容を聞く。
 すると今まで一度も反応しなかった零の男根が謎の反応を示すのだった。
 これは一之瀬琥珀による脅迫と創作の月野シズクの記録である――。

出典:電撃文庫/書籍情報https://dengekibunko.jp/product/322202000064.html

個人的、主観的な感想

素晴らしい!ネタバレになるので詳しいことを書けないのがもどかしいですが、これだけは言わせて!タイトル回収がヤバかった!きっと誰でも「そういうことか!!」ってなる。

脅迫という出会いから始まる二人の物語。そこからダレることなく盛り上がりを随所に仕込み、それでいて綺麗に締められている。そして語らないわけにはいかないのが、そうエロい話!琥珀とイロイロするわけですが、ぶっちゃけマジエロいっす。琥珀もそうだけど、なんなら零も可愛いですね。

でも、琥珀はエロいだけのお姉さんじゃなくて、掴みどころのないミステリアスな女性。かと思いきや実際は!?という、ね。

いや、本当にまともに語れてないですが、自分で読んで知ってほしいからこそ、口を噤んでおります。この記事読むのやめて、今すぐ買って、読んで、それからレビューを読んでほしい。わかる~ってなるんで。疑似感想会しよう?

作品の魅力

色んな顔を持つヒロイン

『書けないアイツ』のメインヒロインは一人、一之瀬琥珀のみです。

キャラクターって、〇〇キャラという設定を付けられると、その設定が前提の魅力を持つ。私はそんなふうに考えてます。

しかし琥珀は、そういった印象を受けませんでした。既存の〇〇キャラではなく、一ノ瀬琥珀という一人の人間でした。リアリティを伴った生き生きとした人間がそこにはいました。

故に彼女の言葉は、読んでいる私にも強く響きました。

視線誘導のテクニック

最初はある問題に対する答えを求めていたのに、いつの間にか忘れさせられていた。そして主人公が思い出すタイミングで自分も「そういえば忘れてたなあ」と想起させられる。

主人公と一体になって最初の疑問の答えを探すシーンは、答え合わせまで目が離せない。私の一番のお気に入りシーンです。

ストレートな感情が心を揺さぶる

何か不可解な事があったり不思議な事があると、そこには秘密があるのだと考える。特に創作物を読んでいる私たちは、伏線を警戒したりメタ読みをして結末を予想するということを度々する。

一之瀬琥珀の動機は、そんな私の疑心暗鬼を吹き飛ばす真っ直ぐなモノでした。

あっけないような、それでいて深く納得できる。一之瀬琥珀が起こした一連の行動の動機とは何なのか?気になる方は、自身の目でご確認ください。

グッときたセリフ紹介

ピックアップしようとしたものは、ネタバレになるので紹介できぬぅぅ。

次点で深~く共感したところをぜひ。紹介させていただくのは、零の頭の中から。

小さな子供の頃は、どんなヘタクソな絵でも最大級のドヤ顔で人に見せられた。胸を張れた。壁に貼られることを誇らしく思えた。

でも、いつしかそれが恥ずかしいと感じるようになっていく。

本気で創れば創るほど、それは強くなる。

出典:小説が書けないアイツに書かせる方法

分かりみが深すぎる。私は負けると分かっている勝負では、他人から分かるくらい露骨に適当にやる、なんてことをやっていました。かなりダサいですけど、本気でやって負ける方が嫌だった。本気って言い訳できなくて恐ろしいですよね。

さいごに

今回のレビューほど、自身の文章力を嘆いたことはありません。ネタバレを回避しつつ魅力を最大限伝えるなんて、どうやったらできるんでしょうか。まるで『書けないアイツ』の良さを伝えることができなかった。悔しいです。精進します。

あと、気付いた人がいるか分からないですけど、本作を見習って記事のサブタイをダブルミーニングにしてます。……気付かんよね。

では、また今度。

ABOUT ME
おとーと
いろんなブログを試行錯誤しているが、今はラノベレビューに焦点を当てている。
おとーとのラノベレビュー

試し読みやPVなどの公開されている情報と、私の個人的な感想で構成されているので、ネタバレの心配はありません。安心してお読みください。