ラノベレビュー

あした、裸足でこい。|春を別れの季節にはさせない

はじめに

レビューを描く前提で本を読むと、純粋な気持ちでレビューができなくなるのでは?なんて、数冊しかレビューしてないくせに一人前のレビュワー気取り。

どうも、おとーとです。

今回語る作品は『あした、裸足でこい。

『三角の距離は限りないゼロ』に続く、岬さんとHitenさんのタッグで送られる作品。

タイトルが特徴的で、私の乏しい感受性ではタイトルに込められた想いが読み取れず、誰かに解説してほしいです。どなたか、教えてください……。

今回のレビューは、

  • 書籍概要
  • あらすじ
  • 個人的、主観的な感想
  • この作品の魅力
  • グッときたセリフ紹介

以上の内容でお届けします。では、さっそくレビューへ。

書籍概要

タイトル:あした、裸足でこい。

発売日:2022年9月9日

著者:岬 鷺宮

<補足情報>代表作は『失恋探偵ももせ』『三角の距離は限りないゼロ』『日和ちゃんのお願いは絶対』など。

イラスト:Hiten

<補足情報>代表作は『義妹生活』『三角の距離は限りないゼロ』。画集『ADOLESCENCE-アドレセンス-』発売中。

あらすじ

卒業式の日、坂本巡(さかもとめぐり)は自身の高校三年間を振り返る。

成績は微妙。友達も少ない。恋人は自然消滅。しかも彼女は今や国民的ミュージシャン。手の届かない存在になってしまった。

しかし、その日。元カノの二斗千華(にとちか)が遺書を残して失踪したことを知る。

呆然とする巡は――気付けば3年前の入学式、彼女と初めて出会った日にタイムリープしていた。

幻覚だと思っていたそれが、現実に起こったことだとしたら?三年前に戻り過去を変えることができるなら?

「二斗を助けられるんじゃないのか?」

ドブに捨てた三年間をもう一度、やり直す。

個人的、主観的な感想

心がスッと澄み渡りました。最近まで、なろう系ファンタジーばかり読んでいたので、久しぶりにラブコメを読んだんですが、やはり良い物ですね。

巡と二斗の絡みはベタベタした甘さは無く、これぞ甘酸っぱい青春!と言わんばかりで、ニヤニヤを抑えることができませんでした。マスクしててよかったです(笑)。

真っ直ぐな心根を持つ人物が多く、本心を語り合い主人公と仲を深めていくキャラクター達の姿は、読んでいて私も好きになりました。

王道ラブコメにタイムリープがアクセントとして取り入れられた作品。当然主人公は未来の知識を持っていますが、その知識を積極的に有効活用することはあまりなく、あくまで過去と同じ状況に対面した時に、「かつては~だった」と解説する程度です。なので、基本的に普通のラブコメとして読むことができました。

しかし、衝撃のラスト。いきなりそれやるの!?と思わず口に出しそうになった怒涛の展開。今から二巻の発売が待ちきれないです。

この作品の魅力

導入から主人公に共感できる

『あした、裸足でこい。』(以下、『はだこい』)の物語は、高校の卒業式の日から始まります。巡は高校3年間を振り返ると、何事にも全力で取り組むことができず、なあなあで過ぎ去ってしまった日々を後悔します。

ここで私はもう巡に共感して、彼に乗り移っていたと思います。小説を読むうえで登場人物の行動や感情に共感できるかは、とても大きなポイントです。その点、気付けば終っていた高校生活に後悔する、というのは多くの人に何かしらの共感を呼ぶのではないでしょうか?

「自分も高校生活をやり直せたら~」なんて妄想をしてみてもいいかもしれません。意味の無い仮定ですが、楽しむことができるなら、それでいいと私は思います。

……え?高校生活に後悔なんて一切ない?最高の思い出しかない、だって?あ……。

そんな人が実在するなんて、私は信じませんよ!

清涼感ある青春劇

ひねったストーリーが評価されがちな昨今ですが、やはり王道ラブコメには王道と呼ばれるだけの強いパワーがありますね。

一週目と同じ結末を迎えないために、何事にも全力を尽くす巡。そんな彼の姿を見て、二斗が抱く感情は……。

また二人以外の登場人物もキャラが立っていて、巡と二斗のラブストーリーだけではなく、仲間との青春群青劇としての魅力も詰まっております。

過去を変えて二斗を救う。それだけで終わらないストーリー

『はだこい』は巡が過去を変えて二斗を救うことを目的としたお話です。巡は初めてのタイムリープを最初は幻覚だと思っていましたが、過去から戻ってきたら交流の無かったはずの人物と仲良くなっていたことから、タイムリープが本当の出来事だと気づきました。そこから二斗を救えるのではないか、と考えた訳ですね。

しかし、それは無条件で良い行いなのでしょうか? 巡にとって一週目の高校生活は後悔だらけでしたが、それでも仲良くなった友人は確かに存在するのです。

二斗を救うために高校生活をやり直す巡はきっと、かつては関わらなかった人物と知り合っていくことになるでしょう。しかしそうすると、一週目の友人と過ごした時間は新しい友人のために割かれることになるのではないでしょうか?

これは一巻では問題にはなりませんでしたが、次巻以降でもしかしたら深く掘り下げられるかもしれません。

グッときたセリフ紹介

電子書籍で読むときは、少しでも良いなと思ったセリフにはマーカーを引くようになりました。紙の書籍も好きなんですが、この点は電子書籍の強みを感じる今日この頃。

紹介させていただくのは、二斗の幼馴染の五十嵐萌寧(いがらしもね)のセリフ。

それで……思った。この子と友達になりたいって。親友になりたいって。

だから――わたしは千華の一番でありたい。

出典:あした、裸足でこい。

結構驚きました。この子って、こんな真っ直ぐな子なのか!ええ子や!って。

なんで五十嵐さんが二斗と友達になりたいと思ったのか。そのエピソードを知りたい方は、ぜひ『はだこい』を読んでください。

最後に

『はだこい』のレビューさせていただきました。

二巻の発売は今冬に予定されています。岬さんとHitenさんのタッグなら、神クオリティのものをしっかりと提供してくれるだろう、という安心感があって良いですね。

では、また今度。


ABOUT ME
おとーと
いろんなブログを試行錯誤しているが、今はラノベレビューに焦点を当てている。
おとーとのラノベレビュー

試し読みやPVなどの公開されている情報と、私の個人的な感想で構成されているので、ネタバレの心配はありません。安心してお読みください。